007「スカイフォール」~ストーリー


007「スカイフォール」はシリーズ第23作目で2012年に公開されている

ダニエル・クレイグ主演のボンド作品の三作目にあたり

007作品の過去をさらに掘り下げることに成功した一作でもある

21世紀に入り、テクノロジーが進歩して007黄金期である冷戦下とは時代背景が変わってきており

スパイは古臭いというテーマに真っ向から挑んだのがクレイグボンドの醍醐味である

個人的には007王道ど真ん中ではないが、新旧のバランスがいいレベルでミックスされた名作であると言える

 

そのストーリーであるが

トルコ、イスタンブールで英国諜報部員であるジェームズ・ボンドとイヴはパトリスという男を追っていた

理由は諜報員一人を殺害し、NATOに在籍する者の名簿リストが彼に奪われてしまったからだ

バイクで市内の建物の屋根伝いを逃げるパトリスとそれを追うボンド

そして機転を利かしたパトリスは走行中の電車に飛び降り、ボンドもなんとかその電車に追いついた

電車の屋根裏では二人が生身の格闘をし、イブはその線路の脇道を車で追っていた

だがその脇道は途中で途絶えており電車は橋げたに突入していた

もみ合いになり大変危険な状況下、Mが彼女に無線で下した苦渋の決断は「撃て」とのことだった

だが弾が命中し川底に落下したのは007のほうだったのである

 

その後ロンドンでは、Mが情報国防委員会の委員長であるギャレス・マロニーからリスト損失の罪に問われていた

本来ならばその存在だけでも公には出来ない程の人員リストなのである

マロニーはMに辞任を薦めるが、Mは下した判断は間違っておらず

犯人を捕まえ仕事は最後まで貫き通すという徹底した意思をマロニーに見せつけたのであった

Mi6へと戻る車内でMは本部のネットワークシステムがハックされたとの情報を耳にした

なんとそのハッキング元はMのPCからだったのである

そしてMの見守る中、目の前のMi6は爆発を起こし炎上したのである

 

そんなMi6の存在自体が危機に陥った時、その看板諜報員であるジェームズ・ボンドは

南国風の見知らぬ土地で、酒と薬と行き場のない享楽に溺れていた

だがロンドンのMi6爆発炎上のニュースを耳にするや否や、またその気持ちが一点に定まったのである

祖国に帰りMの自宅に早々に向かい、職場への復帰を要求したボンドであったが

Mはまず適正検査の合格が条件になると伝えたのであった

 

翌日、爆発のため地下に移転したMi6本部にボンドは向かった

どうやらここはチャーチル地下壕を利用したようである

まず銃による狙撃テストになるが、まだ傷が完治しておらず痛いのか全然駄目で

心理テストでは質問に連想する答えをどんどん返すボンドであったが

スカイフォールのキーワードで急に顔色が変わり、急に退出してしまうのであった

こんな状況であったがMは適正試験合格をボンドに言い渡したのであった

そしてQに会うため美術館に向かい本人認証のワルサーと発信機を受け取ったのだ

 

次にボンドが向かった先は上海であった

パトリス追跡時に胸に貰った弾丸の破片から割り出し、彼がこの地に現れることが判明したからである

ボンドは高層ビルの上まで尾行し、パトリスの仕事でもある殺しを見届けてから襲いにかかった

結局、パトリスはビルから落下してしまい組織の情報を入手することは出来なかった

しかし、所持品からマカオにあるカジノのコインを発見したため、次はその地に向かうことになった

 

突如ホテルに現れたイヴと共にカジノに到着すると、上海でのパトリス殺害時に現場にいた女性が現れた

彼女はセブリンと名乗り、組織を嗅ぎまわっているボンドに接触したのである

だがボンドは素直に組織のボスに会いたいことを伝え、セブリンもこれに便乗することになった

その帰り際にカジノ内にいた組織のボディーガードに襲われるが

イヴと共に撃退してアジトに向かうキマイラ号という船に向かったのである

ちょうどその頃、予告されていたNATOの工作員殺害が実行に移され、Mは徐々に立場を失い追い詰められてゆくのであった

 

ボンドを乗せたキマイラ号はマカオ沖にある無人島に到着した

そこはかつては人が住んでいたが、化学兵器に汚染されたという偽情報を流し

組織のボスが無理矢理作り上げたという孤島であった

ボンドの前に現れた男はシルヴァと名乗り、かつてはボンドと同様Mの元の諜報員であったという

そして共食いをするネズミの話をし、二人を共食いの果てに生き残った二匹のネズミに例えたのであった

また今回ボンドが適正検査に合格できたのもMが動いたからであり、本当は不合格だったことまで知っていた

外に出て二人はとあるゲームをすることになった

それは縛られ身動きの取れないゼブリンの頭上にあるウィスキーのショットを

どちらが先に撃ち落とせるかというゲームであった

先行のボンドの弾は外れたが次のシルヴァの弾はゼブリンの身体に命中してしまったのだ

これに怒りを覚えたボンドはシルヴァの取り巻きまでもを見事に片付けシルヴァを追い詰めた

さらに、Qから受け取った無線により頭上にはボンドをサポートすべく数台のヘリコプターが到着したのだった

 

こうしてシルヴァはMi6に捕らわれ、かつての上司であるMと対面することになった

どうやら彼は中国での作戦行動中、Mの指揮に従わず単独でハッキングを繰り返し中国側に捕らわれたようだ

そこで繰り広げられる拷問に耐えつつも決してMの名前を出さなかったが

極限状態でMに裏切られたことを悟り、奥歯に隠された青酸カリを服用したのである

内臓は焼け、顔面の左サイドはひどいことになるが、それでも死なずに彼は今の道を選んだというわけである

シルヴァは左の奥歯にある矯正器具を外すとそこには左側がえぐれた素顔が現れたのであった

 

QはシルヴァのPCを調べ上げることになり

Mは一連の事件の責任を問われる審問会に出席するため、ウェストミンスターに向かった

シルヴァのPCのセキュリティーは強固であり、あと少しの所で逆に建物のシステムがハックされてしまうのであった

その隙にシルヴァも市内を走る地下鉄のトンネル内に逃げ込み、ボンドはそれを追うことになる

どうやらシルヴァは地下の新しいMi6のシステムに侵入するためわざと捕まったようである

 

本部のQがモニターで位置を把握し、ボンドは無線でそれを聞きながらシルヴァを追っていた

警察官に変装したり電車を脱線させてボンドを狙ったりで策を講じてくるが

結局、シルヴァは目的の場所である審問会の行われているウェストミンスターの国会に到着してしまったのだ

会場に到着するや、いきなりMめがけ発砲するも弾は助けに入ったマロニーに当たってしまう

会場では多数の死傷者が出ることになるが

遅れて現れたボンドはMを連れ出し車で逃げることに成功したのだ

 

途中、車を愛車であるアストンマーチンDB5に乗り換え、ボンドの故郷であるスコットランドのスカイフォールに向かった

その事実をQによってシルヴァに流すよう伝え、最終決戦をそこで迎えようというのだ

 

スカイフォールではまずキンケイドというこの地の番人がボンドとMを迎え入れ

ボンドの父親が使っていたという狩猟ライフルを授け、戦いに向けた細工を至るところに仕掛けるのであった

しばらくすると車で武装した連中が登場し、屋敷へと向かっていった

すると近くに駐車していたDB5のフロントからの機関銃が発砲し、この連中を歓迎したのだ

ボンドが車内に隠れて乗っており、待ち構えていたのである

ボンド、M、キンケイドは撃ち合いの末、撃退に成功したがシルヴァの姿は見当たらなかった

 

すると敵の第二陣がヘリコプターで屋敷に向かっており、今度はシルヴァもそこにいたのだ

そのヘリが愛車であるDB5を破壊した瞬間、ボンドの中で何かはち切れ

自ら屋敷を爆発させ、それにヘリ部隊を巻き込み大打撃を相手に与えたのである

生き延びたシルヴァは屋敷からの地下通路で逃げたMを追っていた

ボンドは彼の部下と池の中での格闘になり、その隙にシルヴァはMの元に到着したのだ

シルヴァはMと頭を合わせ拳銃による心中を決意した

しかもその引き金を彼女の手に委ねたのである

だが、追いついたボンドの投げたナイフが彼の背後に突き刺さり絶命したのであった

それはキンケイドが場合により最も使える武器と説明していたものだった

 

助けられたMであるが実はもう敵の第一陣の攻撃で銃弾を浴びており

もう命は長くはなかった

そして最期にボンドに「私は1つ正しかった」とだけ言い残し、ボンドの腕の中で息を引き取ったのである

 

こうして事件は幕を閉じるが、Mi6ではイヴが事務職になりイヴ・マネーペニーという事務員が誕生した

そして亡きMの後続をギャレス・マロニーが受け継ぎ、また次の終わりなきミッションを007に与えるのであった

 

 

 

 

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です