007「ユア・アイズ・オンリー」~ストーリー


007「ユア・アイズ・オンリー」はシリーズ第12作目で1981年に公開されている

内容的には東西冷戦を取り入れた作品となっており、ロジャー・ムーアの得意とするコミカルな

エンターテイメント性の高い作品になっている

また前作「ムーンレイカー」後にM役のバーナード・リーが逝去したため、本作では

Mが登場しないという珍しい一作でもある

冒頭でブロフェルドらしき人物との闘いになり、それを葬るシーンは著作権問題で使えなくなった

スペクターとブロフェルドへの決別の意思表示だと言われている

 

さてそのストーリーは

英国船セント・ジョージ号がアルバニア沖で沈没し国防関係は困惑していた

なぜならその船にはミサイル誘導装置であるATACが搭載されており

もし仮にもソ連の手にそれが渡れば、大変なことになるのが明らかであったからだ

場所が場所であるだけに公には動けない政府はセント・ジョージ号引き上げを外部に依頼するしかなかったのだ

そんな時、海洋研究員であるハヴロック夫妻がゴンザレスという男に殺害され

娘であるメリナだけがこの世に残され、復讐を心に堅く誓うのであった

 

007ことジェームズ・ボンドはスペインのマドリードでこのゴンザレスを追っていた

このATAC回収を妨害する敵の存在の背後を知りたかったからである

ゴンザレスのいるプールで彼はとある男から金を受け取っていたのである

それはおそらくハヴロック夫妻殺害への報酬であろう

その後、ゴンザレスがプールに飛び込むと彼はボウガンで刺され、そのまま息を引き取ったのだ

ボウガンの持ち主はメリナであり両親の復讐を成し遂げたのである

だがそこで黒幕の情報を得たかったボンドには、彼女の行動は余計な行動であったわけである

メリナとボンドは敵組織の一味に追われメリナ所有のシトロエンで逃げることになる

山奥でのカーチェイスで逃げ切ったボンドはQと会うことになった

 

ゴンザレスが死に情報が途絶えたようにも見えたが、ボンドは彼に報酬を払った男の顔を覚えていたのだ

Qの発明である「ヴィジュアル・アイデンティグラフ」でその男は国際的犯罪者であり

麻薬ビジネス等でも名を馳せているロックという男であると判明したのだ

そうして次はロックを追うべくフェラーラという連絡員を頼りにイタリアへと向かったのである

 

イタリアでボンドはフェラーラと会うと地元の有力者であるクリスタトスを紹介するという

クリスタトスは天才スケート少女のビビのスポンサーでもあり、かなりの情報屋でもある

このイタリアのコルティナの雪山でボンドは敵組織に狙われスキーで逃げることになる

スケート場でも謎のホッケー軍団に襲われ撃退するも

車に戻るとそこには息果てたフェラーラの姿があり

その脇には白鳩のバッジが落ちており、それはロックのシンボルでもあった

 

その後、ボンドはクリスタトスとともにカジノに向かい、そこのレストランで食事をしていた

クリスタトスはそこでロックの背後に存在する黒幕について話し

その男はまさに二人の目の前のテーブルにいるコロンボという男だと言い

この辺りの麻薬ビジネスの大物であるらしい

彼は愛人のリスル伯爵夫人と食事をしており、このカジノのオーナーだというのだ

コロンボとリスル夫人が揉め始め、夫人は怒ってその場を去ってしまった

これはコロンボの情報を入手するいい機会だとボンドはリスル伯爵夫人に家まで送るよう提案する

だがこれが罠の可能性も否定はできないが、ボンドは作戦を敢行し彼女と親密な関係になるのである

リスル伯爵夫人が言うには、これはやはりコロンボの作戦であり

ボンドを見かけスパイのにおいがしたので、喧嘩したふりをしてリスルに調べさせたと言うのだ

 

翌朝、海岸をボンドとリスルが歩いていると武装したロック一味に襲われてしまう

リスル夫人はロックにより轢き殺されてしまうが、ボンドはなんとか生き延びコロンボと会うことになった

コロンボはレストランでのボンドとクリスタトスの会話を隠し録りしており、そのテープをかけた

テープが終わると彼はこの事実が自分ではなく、クリスタトスであるといい

自分は密輸ビジネスこそしていようとも、麻薬ビジネスを商売としソ連とイギリスの

二重スパイであるクリスタトスこそが今回のセント・ジョージ号に係わる一連の事件の黒幕であると言った

クリスタトスは英国でも顔が利く人物だが、実際はソ連の工作員であると

そして勿論ロックも彼の一味であると

こうして意気投合した二人は美酒で乾杯をすることになった

 

まずボンドとコロンボ一味はロックの船を襲撃し、船内でアヘンを発見する

形勢が不利になったロックはその場を逃げ出すことになった

ボンドは逃げるロックの車を追いかけ、土壇場のロックはボンドを轢こうとしたのだった

だがボンドの銃弾がロックを捕え、車は崖っぷちまで追いやられた

死に瀕したロックは恐れをなしたがボンドは無情にも車ごと蹴り落とし

ロックは崖下の断崖へと真っ逆さまに落ちていったのだ

 

その後ボンドとメリナは沈没したセント・ジョージ号の捜索に向かった

サメの泳ぐ中慎重に船室に向かうと、なんとまだATACは奪われず残っていたのだ

だがそのATACを手にした瞬間、潜水スーツを着た敵の襲撃に遭ったのだ

相手の力強い潜水スーツのパワーに苦戦しつつも、ATACの自爆装置を上手く利用して

敵をスーツもろども破壊し海上まで逃げ切ったのである

 

海上の調査船に戻るとなんとそこはクリスタトスによって占領されていたのであった

完全に捕らわれてしまったボンドとメリナは、ロープで縛られたまま海中に落とされ

そのまま船で引きずり廻されるという拷問にあった

だがボンドは海底の岩を利用しロープをちぎり、酸素ボンベを利用し

クリスタトスに死んだと思わせ、彼らのが撤収するのを見届け調査船へと戻ったのだ

 

命は取り留めたがATACを持ったクリスタトスを捕まえるすべはもう無いと思っていた瞬間

「ATACは聖シリルの僧院だ」とオウムがしゃべるのであった

なんとクリスタトスによって船が奪われていた時、短時間で彼の言葉を覚えたのであった

 

こうして割り出されたクリスタトスのアジトであるメテオラの修道院に

ボンド、メリナ、コロンボ一味は最終対決に向かったのであった

そこは断崖絶壁の頂上に位置し、その攻め方も限られてくるのであった

ボンドは一人断崖を登り、頂上にある小屋に侵入しウィンチで残りのメンバーを引き上げた

 

こうして残るはクリスタトスを捕えてATACを取り戻すのみとなった

上空からはゴゴール将軍乗り込むソ連製のヘリがATAC回収でアジトへ向かっており

クリスタトスはヘリのほうへ走ったが、コロンボがそれを食い止め

結局ボンドたちの手に戻ることになったのだ

ボンドにATACを手渡すように促すゴゴール将軍であったが、それはボンドによって投げられ

見事に断崖の下で砕け散ったのであった

こうして英国の心配の元であった装置はソ連側に渡らず、ギリシアで消え去り

またしばらくの間、国際間の緊張感は元の鞘へと治まったのであった

 

 

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