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007「消されたライセンス」~ストーリー


007「消されたライセンス」はシリーズ第16作目にして1989年に公開されている

もうこの時代になるとソ連の勢いは大分弱まり、冷戦も雪解けまじかになっており

007作品に今まで流れていた東西冷戦のテーマは本作ではほぼ感じられない

テーマ的には南米マフィアグループとその政治的汚職となっており

三代目が得意としていた大げさなエンターテイメント性は薄れ、過激な描写を含むリアルなものになっている

特に本作の黒幕サンチェスは実在の麻薬王がモデルになっており

今までのどの敵よりも叩き上げ感のあるリアルマフィアに仕上がっている

 

そのストーリーだが

その日はジェームズ・ボンドの盟友であるフィリックス・ライターの結婚式であった

自国イスマス国では決して捕まえることが出来ないと言われるほど政治と癒着した

麻薬マフィアのボスサンチェスがその愛人のルペを追ってアメリカ国内に現れたのであった

これはサンチェス逮捕のまたとないチャンスでありボンドとライターはDEA(麻薬取締局)とともに動いた

セスナで逃亡を図るサンチェスだがボンドの勇敢な上空作戦により

その機体ごとヘリコプターで捕獲に成功し

肝心の結婚式にも上空からのダイブで間一髪間に合わせることが出来たのであった

こうしてライターは結婚とサンチェス逮捕という2つの喜びを手にし

ボンドもライター夫妻結婚記念ライターを受け取り、盟友の幸せを感じ取るのであった

 

その後の取り調べが終わり厳重な警備のもとサンチェス護送となったわけだが

なんと彼を乗せた護送車が橋から落下し、海の底へと沈んだのだ

サンチェスはそこから脱出し、そこで待機していた仲間の助力を得て海中での逃走に成功したのだった

実はサンチェスの担当のキリファーという捜査官が買収されており

彼がタイミングを計らい、ハンドルに手を加え故意に海中に落下させたのである

こうして脱走成功のサンチェスはこの逮捕劇の復讐モードに入ることとなる

 

最も彼のターゲットになってしまったのは新婚ほやほやのライター夫妻であった

最悪なことに嫁のデラは彼らに殺され、フィリックスも片足をサメに食いちぎられるという

拷問にあったのである

これに対し怒りを露わにしたのがボンドであり

まず買収で裏切ったキリファーから情報を聞き出したうえ、サメの餌にしてしまうという落としまえをつける

そして、熱くなりすぎたボンドを諌めるMの指令を無視してまでサンチェスを追うことになった

この時彼はMから殺しのライセンスを剥奪されてしまったのだ

 

まず手始めにボンドが目を着けたのがミルトン・クレストと言う男であり

表向きの海洋研究の裏でサンチェスの麻薬取り引きを海洋で受け持っているのである

ボンドはこの現場を襲いコカインを海中にまき散らしたうえ、大金までも入手したのだ

そしてフィリックスの持つデータからP・ブービエという人物の情報を入手しバーへと向かった

そこで凄腕パイロットと言われるブービエはなんと女性であった

そのバーで殺し屋ダリオ一味と乱闘になる二人であったが

防弾チョッキのおかげもありボートで無事にかわしきることに成功したのだ

 

土台が完成したボンドとブービエは敵地であるイスマス国に向かい

入手した大金を元に銀行からの信用を得てサンチェスの経営するカジノへと向かった

派手にカジノで賭けにでるボンドをモニターごしにチェックするサンチェスであったが

なんとボンドは彼と直接話すことを許され、サンチェスの元で仕事をすることになったのである

着々と作戦を進めるボンドは宿泊先のホテルに戻ることになったが、そこには何かの気配が、、、

銃を片手に乗り込んだ自室にいたのはなんとQであった

そしてボンドはQからサンチェス狙撃に必要な特殊装備を手にすることが出来たのだ

 

サンチェスと対談したときチェックしたその窓は防弾仕様になっており

そのまま窓越しに彼を狙撃することは不可能である

まずボンドは窓枠の外側に侵入し歯磨き粉型チューブ爆弾を塗り込み

その爆弾で窓を破壊した隙にサンチェスに一発お見舞いする予定であった

その爆弾が窓ガラスを破壊し、いざという瞬間ボンドは謎の忍者軍団に襲われ作戦は失敗となり捕らわれてしまう

彼らは香港の麻薬捜査官であり、サンチェスの麻薬の顧客になりすまし彼を挙げようとしていたのだ

そしてこのボンドの派手な作戦によりサンチェスが警戒し、彼ら捜査官の作戦が台無しになったという

そこに先ほどの爆破で警戒態勢となっていたサンチェス一味が現れ

クワン率いる香港麻薬捜査官は壊滅し、クワンは自害することになったのだ

 

サンチェスの屋敷で目を覚ましたボンドはルペの手助けを得てそこから抜け出した

そしてブービエに会うことになるが、またしても衝撃的なことを聞くことになる

彼女はサンチェスの部下ヘレンを抱き込み司法取引に持ち込もうとしていたのだ

だが、またしても先のボンドの勝手な狙撃作戦により不意になってしまったという

だがボンドはこの状況でもまだ別のやり方があるという

 

ボンドはまずサンチェスに身内の裏切り者の存在を彼に示唆した

そして、クレストが所有するウェーブクレスト号に侵入し巻き上げた大金をその船内にセットし

サンチェスをそのクレスト号に呼び、クレストと先の取引失敗の話をさせたのだ

コカインも大金もすべて失ったというクレストだが、大金だけが船内から見つかり

たちまちサンチェスは彼の大金の横領を疑い、減圧室でクレストを殺してしまう

こうしてボンドはサンチェスの信頼をさらに上げていき

次回予定されているアジアの顧客との工場見学に同行することを許されたのである

 

サンチェスの麻薬精製工場はなんとジョー・ブッチャー博士の瞑想センターが隠れ蓑になっており

そこでサンチェスは顧客にコカイン密輸の方法を説明していた

その手法はコカインをガソリンに溶かしそのままタンクローリーで運搬という流れであった

そしてそのガソリンからの抽出法が説明されたあたりで、部下のダリオがボンドの存在に気付いたのだった

捕らわれの身になってしまうボンドであったが、隙を見て工場を燃やし逃げることに成功する

多額の投資がなされた工場を諦めサンチェスは今あるタンクローリーは守ろうと

燃え盛る工場から出発させたのだ

 

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photo byAll sizes | Death Valley Road | Flickr – Photo Sharing!
こうして巨額のコカインを搭載したタンクローリーによる壮絶なカーチェイスとなり

空からはブービエ操るジェットセスナのサポートもあった

そのサンチェスの財産であるタンクローリーは一台一台爆発炎上してしまい

さすがのサンチェスも動揺を隠しきることが出来ない

そして激しいチェイスの末、ボンドに忍びよるサンチェスはそのガソリンまみれの体に

ライター夫妻の思いの詰まったライターでボンドに着火され

ボンドは念願のライター夫妻の敵をうち、南米の巨大マフィアを一掃することに成功したのであった

 

 

 

 

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